京都建築映画祭2022 12月18日(日) 上映プログラム 2022.11.24 投稿者: Vutter Kohen 12/18(日) 京都文化博物館フィルムシアターにて上映! 京都建築映像祭202210:30〜『語る建築家』2011年韓国作品(カラー・95分)/監督:チョン・ジェウン/出演:チョン・ギヨン、スン・ヨンサン字幕:日本語・英語 チケット → https://kaff2022-7.peatix.com ひとりの建築家の残された仕事、そして時間 建築家のチョン・ギヨン(1943-2011)は、大腸がんと告知された後でも、イルミン美術館の建築に関する展示の準備や、後進の指導などに多忙な日々を送っている。 建築の公共的価値と倫理がその主な関心事で、建築家は誰のために働くべきか、建築は社会の中でどのような道具であるべきかを身を持 って示す。彼は、建築の限界を知り、それを崇拝しない。仕事や人々との対話を止めることはないが、残された時間は少なくなっていく。 『子猫をお願い』のチョン・ジェウン監督はドキュメンタリー作家でもあった20 代の 5 人の女性の友情、夢や恋、挫折、拾った子猫との関係をみずみずしく描き、韓国の女性監督や女性を主人公にした作品が注目を 集めるきっかけになった記念碑的傑作『子猫をお願い』(2001 年)でデビューしたチョン・ジェウン監督。デビューから 20 年、チョン監督は劇 映画とドキュメンタリー映画を行き来する独自のフィルモグラフィーを築き上げてきた稀有な監督でもある。 ソウル市内のマンモス団地に住む 250 匹のノラ猫の引越し作戦を描いた最新作ドキュメンタリー『猫たちのアパートメント』まで、4 本のドキュ メンタリー映画を制作。『語る建築家』(2012)、“Talking Architect, City: Hall”(2014)、“Ecology in Concrete”(2017)を含む建築ドキュメンタリー三部作と、最新作の『猫たちのアパートメント』まで一貫して都市、建築とそこに生きる人々の生活を記録し続けている。 13:30〜『Playback』2012年日本作品(カラー・113分)/監督:三宅唱/出演:村上淳、渋川清彦、三浦誠己 内容:仕事の行き詰まりや妻との別居など、40歳を手前に人生の分岐点に立たされた映画俳優ハジ。だが彼にとってはすべてがまるで他人事のようだった。彼を良く知る映画プロデューサーは再起のチャンスを与えようとするが、ハジはまともに取り合おうともしない。そんなハジが旧友に誘われ、久しぶりに故郷を訪れる道中、ある出来事が起こる。居眠りをして目覚めると、なんと大人の姿のまま制服を着て、高校時代に戻っているのだった……。 *記憶と現在の「時間」「空間」が混ざり合い、様々な時空間を行き来しながら物語が進んでいく。その時間、空間の「移動」は、「トンネルを抜ける」「画面の中での登場人物の複雑な交差」「奥行きの感覚の麻痺」など、異なる時空間を繋げる建築的ともいえる斬新な手法によってなされる。ロケ地となった震災後の茨城県水戸市の風景が感じさせる、切実さとともに、その瞬間、瞬間はあたかも建築が立ち現れてしまったような、スリリングな空間体験をもたらす。 今秋最新作『ケイコ 目を澄ませて』(主演:岸野ゆきの)公開が話題の三宅唱監督の2012年の作品『Playback』観客を唸らせたこの作品をぜひこの機会にご覧ください。 チケット → https://kaff2022-8.peatix.com 16:20〜『コロッサル・ユース』ポルトガル・フランス・スイス/2006年/ポルトガル語・クレオール語/カラー/35mm/155分 監督:ペドロ・コスタ/出演:ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ 内容:『ヴァンダの部屋』のスラム街は取り壊されて、ヴァンダは新しい集合住宅に移り住んで夫と子どもと暮す。リスボン郊外にあるフォンタイーニャス地区に住むヴェントゥーラは突然、妻に去られてしまう。彼は古い貧民窟と、新しく出来た住宅地を行き来しながら、自らが“子供たち“と信じる若者と対話を重ね、居場所を探っていく。 *映画全編を通し、建築や都市が触感を持った物質のよう圧倒的な存在感でスクリーンに現れる。貧民窟の闇、新興住宅街の白さ、それらの廃墟や建物と人物が同質な存在として撮られ、物質感のある絵画のようなカットの連続によって構成されていく。スクリーンの中で都市が物質として立ち現れる映画。京都建築映像祭2021『ヴァンダの部屋』の上映につづき、小津安二郎や溝口健二、ジョン・フォードなど優れた映画作家たちを彷彿とさせ独自の感覚で現代の映画を代表するポルトガルの映画作家ペドロ・コスタの作品『コロッサル・ユース』を上映します。 チケット → https://kaff2022-9.peatix.comチケット:一般1,700円、学生1,300円、京都文化博物館友の会会員1,000円前売券:Peatixでの販売当日券:映画祭受付で販売*上記割引の対象になる方は、必ず各種会員証・学生手帳をご持参ください。公式HP https://kaff.jp/お問合せ:info@vutterkohen.com////////////////////////////////////////////////// 前の記事『赤ずきんと靴跡』写真とインスタレーション 展次の記事 京都建築映像祭2023